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肥 育 技 術

可食部分の短期身入れ作業  ①餌料環境差による肥満蓄積を誘発​

    餌料摂餌環境を人為的に抑制(防汚収容器育成=付着物による過剰な流通阻害が無い為、強めに抑制操作が可能)する事で、貝の摂餌欲求(枯渇感から摂餌活性が高まる)にメリハリをつけ、摂餌環境を改善(干出漁場飼育=12時間摂餌可能⇒垂下養殖=24時間摂餌可能な環境へ移行)すると急激な回復⇒成長⇒余剰養分の蓄積のスイッチが入り、可食部分である閉殻筋(余剰エネルギーの備蓄タンク)部分の短期的な肥育が期待出来る 自然界の富栄養環境下での連続飼育以上に、より大きい貝柱を、短期で得る事が出来る

​タイラギ 垂下養殖による短期肥育(可食部分:閉殻筋:貝柱部分)

天然 同一群 肥育結果

閉殻筋 約30㎜×約59㎜

天然 同一群 採取時点

巨大化した閉殻筋

閉殻筋 厚さ29㎜

閉殻筋 約15㎜×約30㎜

天然の約2.5倍に肥育

閉殻筋 重量 約41g

上:天然採取 下:垂下養殖

​イワガキ 人工的な餌料環境格差作出による短期肥育

小形の一口サイズ

​形状・大きさ・重量を揃え操作

殻付きのまま身質を平均化

​マガキ 人工的な餌料環境格差作出による短期肥育

閉殻筋の巨大化

グリコーゲンの充実肥満

全体に平均して充実肥満

​アカガイ 人工的な餌料環境格差作出による短期肥育

単純肥育は身色の白化に繋がるので、赤色の色揚げの為、活発な潜砂誘発を仕掛ける

〇 潜砂性タイラギの垂下養殖技術  ​貧酸素水塊 低比重 基質への潜砂困難(立枯)  対策

洋上浮体施設(竹筏・フロート筏)から底面付着器を使用した防汚収容器で垂下育成する事で、タイラギの安定生産を達成した。貧酸素水塊や低比重など環境変化の大きい海底から切り離し中層へ垂下する事で生存率を高める技術を開発した。

付着物対策としては貝に無害なシリコン系防汚塗料による収容器への防汚加工する事で対応した。

立ち枯れと言われる貧酸素などによる海底からの飛び出し斃死への対応は、収容器の基質内底面付着器を配する事で、タイラギ自体の潜砂能力(環境変化時には基質に深く潜砂する事で回避)を高め、高い生残率を確保出来る技術を開発した。※成長に伴い潜砂の際に足糸が掴む粒度の大きい基質(サルボウなどの殻片など)が無い漁場で立ち枯れ多発。

特許概念図

垂下養殖 飛出し 立枯れ

自然界での潜砂状況

潜砂の為に基質をトラップ

垂下篭での潜砂状況の再現

底面付着器を設置

左:飛出し 右:潜砂

防汚処理無し

防汚処理あり

垂下養殖 立枯れ斃死

垂下養殖 フジツボ付着 開閉困難

周辺はウミヒバリガイのマット

開閉により基質上に上昇

抵抗の大きい貝殻などをトラップ

貝の成長に伴いより大きな粒度

底面付着器へ足糸で付着

同じサイズの貝

底面付着器としてのザル

世界初の垂下養殖タイラギ

※ WFC 2008 第五回 国際水産学会にてTNで発表(TASAKI真珠・FRA)

※ 共同研究後に発明者としてFRAと共同特許申請・審査請求時に放棄・FRA単独特許として知財化

※ 国立研究開発法人 水産研究・教育機構:「タイラギを垂下養殖するための養殖用器具」特許第5288546号 特許実施許諾契約中

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​マガキ シングルシード

従来のカルチ採苗天然マガキ養殖において、目標となる20g前後の可食部分を得る為の貝殻を含めた全重量は約100g前後であった。シングルシード人工採苗貝の養殖において、防汚篭育成と虫駆除を組み合わせると、貝殻を含めた全重量は約60g前後で、20gの可食部分を得る事が可能となった。貝の全重量は40%以上軽く、軽減重量の殆どが貝殻重量である事が判る。​

工事中

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